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◆年末に2023年のひとりごと。

実家には、母の着物が、桐箪笥2棹あります。

小学生の頃は、母が着物を着る時に、もみじのような可愛い手で笑、伊達締め、腰紐、コーリンベルト...と順序よく手渡していて、母が着物の仕事から帰って着た後は、腰紐を五角形に巻き直したりなど片付けのお手伝いをしていました。

身近も身近すぎるところに、着物着付けのお師匠さんがいたのでした。

そんな環境でしたが、年頃になった私は母の仕事（協会）を継がず、「絵描きさんのお嫁さんになるぅ～」を選んだ今で、コロナ前のアパレル時代はしゃらんしゃらんした（笑）お洋服が好きでしたが、辞めてからのここ数年は、ほぼ365日デニムで過ごしています。

で、着物にデニムの話がどう繋がるかといいますと、「紬（つむぎ）」に繋がります。昨秋の帰省時に、着物の虫干しを手伝いながら、母の大島や結城に袖を通してみたら、なんと「ほー」と、しっくりきたのです。着心地の硬さも、地味な色合いも。デニムが好きな身体は、紬の着物を最高だと感じる自分へと育っていました。

これは、着たい！着ていたい！知識も身につけたい！と思いました。身近すぎて当たり前すぎる着物・着付けゆえに、「大好きな母の、着物や技術を持て余したら繋げられなかったらどうしよう...」と、後悔ごとになるやも知れぬ懸念のひとつだったのですが、無理せずとも、ちゃんと時が解決してくれました。

紬（つむぎ）が身に馴染んでくれたことで、紬ばかりではなく、絹物や道行きや帯や和小物など母が愛用してきたものが、私にとっても魅了されてやまないものとなったのです。

編み物を再開しようと決めた時も一瞬で感じた感覚でしたが、着物の魅力の虜になるのも一瞬でした。着付けは再度練習して、板に付くように頑張ります。

お蚕さんの吐き出した絹糸、たくさんの人の手が必要な綿糸、自然から頂いて、紡いで、染めて、織って、干して、反物にして、四角く断って、針で縫って。なんと日本人の知恵と技術と愛情が凝縮されているのだろう。また、藍の魅力的なこと。。。

『編み物本を編む』ではないですが、詳しくなりたいので、着物関連の本もあれこれと手元に寄せ学んでいます。

着物への愛着が深まるといえば、中島要さんの時代小説全十巻『着物始末暦』は心底良かった。

糸・布を大事にすること、箪笥の肥やしにせず着てこその着物。と私が書くと深みがないですが、編み物（手仕事）にも通じる哲学や雑学が散りばめられていて、抱きしめて寝たいほど、登場人物の生き様も台詞も職人的技も学ぶところが散りばめられています。何カ所も線を引いていて、繰り返し読んでいます笑

中島要さんが産んでくださった「着物始末師・余一（よいち）」の小説のおかげで、着物のこと以外にも、江戸時代に憧れ、日本が日本らしかった当時を知りたいと思いました。それから、織物や風呂敷などなど、日本の文化・和物の魅力・和色の美しさに堕ちた2023年でした。

引き続き、新年も。

今は、BS時代劇放送中の高田郁さんの『あきない世傳 金と銀』13巻を読んでいて、13巻は結構なボリュームですが、「七代目・幸（さち）」が江戸に移ってからのごたごたで面白くなってきました。

編み物の技術本に、「はた結び」って出てくるでしょう。「はた結び」もね、小説の中の機織りの場面でその謂れを知って、結び方にも言葉にも愛着が湧いています。

『あきない世傳 金と銀』『着物始末暦』は、着物と着物に関わる仕事、糸、心持ちの魅力が散りばめられて、心底勉強になります。手仕事が好きな方にはおすすめです。

日本が日本らしく、これからも、優しく明るく強く、ま正直に続いていきますように★

★2024年も編み針と毛糸とともに穏やかな一日を過ごせますように＊お互いに笑. ご訪問ありがとうございます. らびゅ～♡