ニットマルシェ 創刊号 2006年 夏
編み物本といえば、気構えて編む『毛糸だま』系が主流だったでしょう。そんな中で、「かわいいトレンド、編みやすくおしゃれな作品を掲載してある『ニットマルシェ』」を眺めるのは、癒しでした。新鮮で楽しかったぁ。
編み物ブームが来る前は、『ニットマルシェ』のような、「かわいい」、は少なかったの。
ニットマルシェ vol.5 2008年 冬
今は、編み物が「SNS」や「ハンドメイドショップ」と相性がよかったこともあってか、編み物ブーム再来中。令和に訪れた編み物2.0!!GO!GO!GO!
世の常ですが、流行りの時期は、親しみやすくハードルが低い方が人気が出ます。初めてでも、得意かどうかわからなくても、「やってみたい!」と思う人が多いのだから当然です。でしょ。
ラベリーもピンタレストもインスタもツイッターもyoutubeも、「かわいい、編みやすい、おしゃれ」なコンテンツで溢れています
アンテナを張らなくても、流れてくる似かよった情報達。日本国内だけではなくて、世界中でブーム。似たものが右から左へと移されて、UPされて、「考えました~」「私の~」「著作け、ん~」とか。
『ニットマルシェ』の編集部さんは変わらずに「かわいいを編もう」をコンセプトに、熱い気持ちで本を届けようとしてくださっていると思うの。だから、本がどうこうではないのに、そんなブームのせいか、前回記事にした『vol.25』は、十分かわいくて、オシャレなのに、なんとなく、既存感が否めないって感じてしまった。
そしてそれは、最近の『毛糸だま』にも少し感じていて、SNSで流行っている人やコトとダブっていると知ると、発売を楽しみにしていた気持ちが少し萎(しぼ)む。SNSとは距離があるといいのにな、って思う。
『毛糸だま』には憧れのデザイナーさんが並んでいたり、初めて知ること、少しハードルが高いこと、ハッとする憧れや尊敬があったから好きだったのにな...というところあります。
SNS時代の、利と弊害。
毛糸だま vol.171 2016年 秋
[10年セーター]というコピーが新鮮、好きな一冊
流行りはもちろん楽しみつつですが、プロ編集の書籍は、無料発信のSNSの流行りよりも先を行ってて欲しい。流行りを生み出してほしいし、後追いは要らなくて、流行りとは違う未知を連れてきてくれるところに、定番本の意味(威厳のような...)があるんじゃないか、とか思っちゃったんだ。
でもね。今、一瞬そう感じたとしても。そうそう、それぞれの、その時代。
『毛糸だま』と『編物ヴォーグ』が、第1次ブーム(昭和の編み物1.0)を、あり得ないほどの情熱を注ぎ込んで支え普及してくださったり、『ニットマルシェ』のような「かわいい&トレンド&基本」を創刊してくださったお蔭で、編み物の知恵が細くなりながらも途切れずにつながったのだろうし、編み物を新たに好きになる人が、ここ数年で縦横幅広く広がったのかも知れない。
それぞれの時代で、それぞれの本が、編む情報の塊として存在してくれたお蔭。
最近の『毛糸だま』や『ニットマルシェ』に対しては、何年かのち、この、ブーム初期らしい旬な情報が詰まっていたな~なんて、懐かしく思うのかもしれません。
本は、時代の空気感を閉じ込めたまま歴史になって残っていてくれる、のがスゴイんだ!
編物ヴォーグ 1970年 秋
「スタイル1000集」熱い!厚い!
ファッションもそうですが、流行りには10-30%以内で乗っかって(乗っかるのも大事よね^^)、90-70%は信念とともにいると、いつの時代もブレずに、加減良く、自分スタイルでいられるようでござんす。
柔らかく微笑んで
楽しく弾んで
そして、どっしりと^^
それではまたね。
今週も皆さまに幸せな日々でありますように♡٩( ''ω'' )و