アラン模様を編んでみよう!と、初めて縄編み針を使って、クロスが成功した時の景色、瞬間の気持ち、覚えていますか?
いつの間にか、ちゃちゃっとクロスさせて、間違えずに、リズミカルに編めるようになったけど、そして、編みあがったアランは、ちょこっとだけ鼻の穴を膨らませて、プレゼントしたりしてるけど、すべて、先達のおかげなのだな~とあらためて思います。
- アレキサンダー・マックイーン'18AWのショー開催を、鎮座して待つアランセーターたち
- 『海の男たちのセーター』~英国伝統ニットの旅
- ◆ガンジー◆
- ◆フェア・アイル◆
- ◆サンカ手袋◆
- ◆アランセーター◆
アレキサンダー・マックイーン'18AWのショー開催を、鎮座して待つアランセーターたち
パリ、3月5日の午後8時から、'18AWアレキサンダー・マックイーン Alexander McQeen のショーが開催されました。
twitter.com引用:Alexander McQueen Jp(アレキサンダー・マックイーン)の日本語版公式Twitterアレキサンダー・マックイーン2018年秋冬ウィメンズウェアショー前の様子。 #McQueenAW18 #PFW pic.twitter.com/LeiETww692
— Alexander McQueen Jp (@McQueenWorld_Jp) 2018年3月5日
画像は、ショー前の様子だそうです。ゲストの為に鎮座している椅子すべてが、なんと生成色のアランセーター着用です。前衛的なファッション・スタイルのマックイーンのショーで、英国伝統のアランセーターが花を添えているのが、嬉しいな~と思います。
『海の男たちのセーター』~英国伝統ニットの旅
アランセーターは、英国伝統の海の男達のセーターであるフィッシャーマンセーターです。伝統とは言え、実は一時期、忘れられそうになってしまいました。そんなフィッシャーマンセーターの伝統をつないで行くための過程や過去に編まれたセーター、関わりの深い人々を取材した貴重な本があります。
『海の男たちのセーター』は、あみものと手芸の雑誌『アムウ(amu)』の連載企画、1986年から1988年の7回にわたる徹底的な現地取材レポートを1冊に編集した本になります。
アランセーターだけではなく、ガンジーやフェアアイルについても豊富な写真とともに取材してあって、情報量がとにかく多いのです。
入手困難になった、とみたのりこさんの『海の男たちのセーター』の内容をさらっと書いてみます。
◆ガンジー◆
1章 ガンジーセーターは、海の男たち、英国フィッシャーマンたちの誇り高きユニフォーム。と同時に、愛する夫や息子のために、丹精込めて編み上げられた、海の女たちのセ-ター。
よく語られているのが、最愛の人に、何かが起きた時のために、一目だけのまちがいを作っておくという伝説ですよね。
また、ガンジーセーターの裾や袖のゴム編とパターンの間は、無地になっています。理由は、擦り切れて傷んだセーターを編みなおす際に、目を拾いやすいようにという知恵からです。
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2章 たくさんのパターンのガンジーが紹介されています。
・サーモンネット ・スカボローガンジー ・ショールオブフィッシュ ・フランボロー ・シェリングァム ・ダイヤモンドインザスカイ ・99ステップ ・5000人の民衆 などなど、セーター1点1点、おとぎ話が紡がれていくように編まれてたのですね。
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3章 北上し、スコットランドガンジーを取材してあります。スコットランドカンジーは、糸が細かく目が詰んでいます。女たちは鰊漁をしながら、その荒れた手でセーターを編んでいたそう。昨日の指の話ではないけれど、ちょこっとささくれだってたり、バンドエイドを貼っているだけで、編む感覚は狂うのに、当時の人は本当にすごいと思います。しかも、きっとすごく寒くて、指先が冷たかったはず。
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4章 コーンウォル半島のガンジー。
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5章 チャネル諸島のフィッシャマンセーター。
◆フェア・アイル◆
6章 シェトランド諸島のニットです。シェトランドシープって、羊さんの中でも小型です。胸まで海につかりながら、海草を食べてるんですって。
そうやって生きて、私たちに、軽く、弾力性に富み、絹のような美しい光沢を放つ糸を提供してくれるのです!かわいすぎる~。愛おしすぎる~♡
16世紀に機械化により、手編み産業が衰退します。そこで、資本力のない島民が生き抜くために必死で考えた産物が、多色遣いの編み込み、フェアアイルだったのです。1800年代後半から1900年代初頭の作品が掲載されています。
◆サンカ手袋◆
7章 素朴で美しい2色遣いの、憧れのサンカ手袋が紹介されています。労働歌を1章歌う間に、ぐるっと編んで目の増減をする彼女たちは、 実は魔法使いだったそうな。ですよね~。